はじめに

やはり、食べることは生きることだと思うのです。

いっしょにご飯を食べられるということは、幸せそのもの。

いっしょにご飯を食べた回数が多い相手ほど、別れはつらいもの。

 

お母さんのお母さんは、すこし急ぎぎみに天国へとひっこしました。
だからあなたとは会ったことがありません。

あなたがいつも「おかあしゃん、おかあしゃん」と呼ぶ部屋の写真。
あれが、お母さんのお母さんです。

からだを悪くした母と過ごすあいだ、
「このオムライスを、あと何度食べられるだろうか」
と、お母さんはよく考えました。

小さい頃に食べた、あのおいしかったお料理のレシピを、尋ねてはメモしました。

 

そうしていま、お母さんのお母さんが作っていたお料理にとても近いものを、あなたが食べています。

今の時代、自分で作らなくても、おいしいものはいろいろとあります。
お料理をするかどうかは、好きずきで良いと思います。

だけどできるだけ残しておこうと思いました。
写真を添えて、やさしく、ていねいに書くつもりです。

あなたやお父さんが、これから先もずっと。
そのときどきの大切な人といっしょに、おいしいご飯を食べて、生きてゆけますように。

プロフィール

浅野 輝子(あさの てるこ)
1983 / 2 / 8

大阪で生まれ、神奈川県横浜市と兵庫県赤穂市で育ちました。

大学時代に知り合った夫と結婚。
2015年、2018年に二人の女の子を授かり、大阪で暮らしています。

お酒を飲みながら、おつまみや常備菜を作るのが好きです。